住宅ローンのボーナス返済とは
ボーナス返済とは
公務員や一般企業に勤務している人は。毎月の給料の他に年2回のボーナス(賞与)が支給される場合が多いと思います。住宅ローンでは、このような給与所得者の状況に合わせて、ボーナス支給月に増額返済ができる「ボーナス返済」制度を設けています。
ボーナス返済のメリット・デメリット
ボーナス返済について正しい知識を身につけ、上手に利用することができれば、ボーナス返済は心強い味方となってくれます。それでは、ボーナス返済を利用する場合のメリットやデメリットについて詳しく見ていきましょう。
【メリット1:毎月の返済額を抑える】
まず一つめのメリットとして、ボーナス返済を利用すれば毎月の返済額を抑えることが可能です。例えば、借入金額:3,000万円、金利:1.3%(全期間固定型・元利均等法式)、返済期間:35年、という条件のローンを組むとします。全額を月額設定だけで返済する場合と、3,000万円のうち350万円をボーナス返済分にして年2回ずつ月額に加算して支払っていく場合とで見ると、それぞれの返済額は以下のようになります。
〈毎月返済のみの場合〉
・毎月返済額:88,945円
・年間返済額:1,067,340円
・返済総額:37,356,755円
〈毎月+ボーナス返済(年2回)の場合〉
・毎月返済額:78,568円
・ボーナス返済額:62,394円(×2回)
・年間返済額:1,067,604円
・返済総額:37,366,061円
このように、ボーナス返済を併用すると、この借入れ条件の下では毎月の返済額が1万円以上低くなります。
【メリット2:返済期間短縮・総返済額減額】
二つ目のメリットを見ていきましょう。毎月の返済額は減らす必要がないという場合は、返済期間を短くすることができます。さらに、借入(返済)期間が短くなるということは、その分の金利負担が減るので、返済総額も減額できるというメリットがあるのです。
では具体例で確認しましょう。借入れ条件は前記と同じ、
借入金額:3,000万円・金利:1.3%(全期間固定型・元利均等法式)
この条件で毎月返済額をほぼ同じ設定にしたときの、ボーナス返済有無での違いは以下の通りです。
〈毎月返済のみの場合〉
・毎月返済額:88,945円
・年間返済額:1,067,340円
・返済年数:35年
・返済総額:37,356,755円
〈毎月+ボーナス返済(年2回)の場合〉
・毎月返済額:88,935円
・ボーナス返済額:70,633円(年2回)
・年間返済額:1,208,486円
・返済年数:30年
・返済総額:36,254,681円
二つを比べると、毎月返済額はほぼ同じですが、ボーナス返済を併用すると返済年数が5年短縮されて、返済総額が100万円以上減額されているのがわかります。当然ボーナス返済月がある分、年間の返済額は大きくなりますが、確実にボーナス支給が見込める勤務先ならば問題ないでしょう。
【デメリット】
デメリットについても認識しておきましょう。「リスク」と言った方がいいかもしれません。ボーナス返済というからには、ボーナスがしっかりと支給されることが前提となっています。しかし、勤務先の業績によっては見込んでいた金額が支給されない、あるいは支給そのものがなくなってしまうということも考えられます。これがボーナス返済を併用する際の最大のリスクです。
しかし、前述のようなメリットがあるのも事実ですから、ボーナス返済の金額設定を無理のないようにする、または、少しずつ余剰金を確保しておいて、万が一ボーナス支給額が足りなかったときに備えるなどの回避策を講じて、うまく利用することをおすすめします。ボーナスを頼りにし切った無理な返済を考えるのではなく、今後のライフプランとよく照らし合わせた上で、上手なボーナス返済を考えることが大切です。
ボーナス返済が難しくなってしまったら
借り入れした当初は万全の体制だったとしても、年月が経過する中で状況が変わり、返済が難しくなってしまうことがあります。例えば、けがや病気などの不測の事態や転職による収入状況の変化など、いろいろなケースが考えられます。
そんなときには、借入先の金融機関に返済プラン(条件)の見直しを相談することが可能です。金融機関としても返済がストップしては困りますし、状況に応じて負担軽減できるようなプランを提案してくれます。もし返済が難しくなりそうな事態に見舞われたなら、早めに金融機関に相談しましょう。
また、ローンを借り換えることで返済条件を変えてしまうということもできます。これは、「新しいローンを契約して、今借りているローンを全て返済してしまい、今後は新しいローンだけを返済する」という方法です。
借り換えによってまったく新しいローンを借りることになるため、金利などの根本的な条件も変わることになります。ボーナス返済の有無やトラブル発生時に限らず、より低金利な融資条件を見つけて借り換えを行うことは、返済負担を軽減させる一般的な手段となっています。
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